理系の仕事術

仕事の効率化、段取り術、転職、キャリアなどなど

Google日本語入力による高速化

パソコンの利用機会の比較的少ない個人と違い、実社会ではいまやパソコンは欠かすことのできない仕事の道具です。パソコンで仕事をする時間の約90%がキーボードを使った操作(文書作成、データ入力など)に占められています。社会人にとってはタイピング技能をスキルアップしていくことは仕事をより速くこなしていくためには欠かせないのです。

タイピング技能検定イータイピング・マスター[受験者データ]

 仕事の中心がパソコンになってきた現代社会において、 キーボードを使った操作が早いか遅いかというのは非常に重要な問題であるようです。もちろん、ほとんどの社会人はタッチタイピング(ブラインドタッチ)を使っており、心地良いタイピング音を鳴らしながら仕事に励んでいることと思います。しかし、タッチタイピングで満足して止まってしまう人、タッチタイピングだけで満足せずにさらに効率向上を図る人との間には大きな差ができているように思えます。

 タイピングを効率化する方法として、IMEを変えるということがお勧めです。IMEとは、「コンピュータ上で日本語など非アルファベット文字の入力を補助するソフトウェア。特に、Windowsシステム上で利用されるもの。」を指します。有名どころでは、ATOKGoogle日本語入力があります。また、昨今、変換データを中国のサーバーに送信しているということでコンピュータウイルスとして話題になったBaidu IMEIMEの一つです。

 

IMEが変わると何が変わるか?

 一言で言うと、変換作業の効率が変わります。日本語入力の効率を左右するのは、タイピングスピードと変換作業の効率です。IMEは、ひらがなを漢字に変換するときの、候補を出しますが、適切な候補を出すかどうかというのがIMEによって全く異なるのです。

 もともとWindowsにデフォルトで入っているMicrosoft IMEの評判が良くなく、変換して欲しい候補が中々出てこないという時期がながかったのです。このため、せっかく早くタイピングしても変換候補を探している時間がタイピングの何倍もかかるという自体もよくありました。そんな中、より精度の高い変換を行うIMEが多数出てきたのです。そのひとつがGoogle日本語入力です。Google日本語入力は、Googleが開発しただけあって、過去の変換履歴や、莫大な統計情報を用いて比較的正確な変換候補を提示してくれるところが従来のIMEとの違いです。また、もうひとつ評判の良いIMEとしてATOKがあります。こちらも、長い歴史と、日本人が開発した日本人のためのソフトウェアであって、精度の高い変換を誇ります。

 近年は、変換候補だけでなく、サジェスト機能というのがIMEにおいて重要になっていきましtあ。過去のタイピング履歴から、単語や文章をタイピングする前に、サジェストが表示されるようになったのです。Google検索を使っている人にとってはおなじみですね。このようなサジェスト機能により、たとえば、「こん」と、タイピングすれば、「こんにちは」「今度は」などがサジェストされ、ユーザーはサジェストから単語や文章を選択することで、さらにタイピングを加速することができるのです。

 Google日本語入力は、特に、このサジェスト機能が優れていることが他のIMEとの最大の違いです。

 

辞書登録機能を使った効率化

 サジェスト機能だけでも、日本語入力機能が大幅に向上します。しかし、さらに上を目指すのであれば、辞書登録機能を使いこなすべきです。辞書登録機能は、本来、通常の辞書に載っていないけど、変換する必要がある業界用語や人名などを登録するための機能でした。

 しかし、昨今は、短縮表現を辞書登録することで、さらにタイピングを加速する使い方をする人が増えています。たとえば、「よろ」という言葉に、「よろしくお願いします」という変換候補をつければ、サジェスト機能よりもさらに高速にタイピングをすることができます。また、短縮表現としては、フレーズを超えて短い文章を入れることもできます。このように辞書登録機能を慣用表現を変換候補に登録することでタイピングを加速するという考え方を利用すれば、タイピングを加速する可能性は無限に広がります。

 

辞書登録機能活用の注意点とコツ

 気をつけなければいけないのは、便利だからといって、「あ」に「ありがとうございます」などの辞書登録を作ると、「あした」を変換したら、「明日」でなく「ありがとうございますした」などという、意味の分からない変換になることです。

 このような誤変換を防止するためのコツが2つあります。1つ目は、短縮変換用の記号の後ろに文字を入力することです。たとえば「:あ」に「ありがとうございます」という辞書登録をすれば、「あした」を誤変換することはありません。もう一つは、母音をつけない列に変換候補を作ることです。たとえば、「tx」(全角)に、「ありがとうございます」という辞書登録をすれば、通常の変換で誤変換されることはありません。ちなみに覚え方は、tx→Thanks→ありがとうございますと言った感じに英語や文章のイニシャルを利用すると忘れにくいです。 

 このように、愚直にタッチタイピングの速度を上げることも、ひとつの効率化ですが、それよりも、IMEを変えることで、変換の精度を向上させるというのもひとつの方法です。