理系の仕事術

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理系でメーカー就職した人のその後

理系の人気就職先

1位トヨタ、2位ソニー、5位パナソニック、7位三菱電機、8位日立製作所など、大手メーカーは安定して就活生の人気企業であるようです。

 

【大学生・理系】2020年卒 就職希望・人気企業ランキング | キャリタス就活2020 | 新卒・既卒学生向け就職活動・採用情報サイト

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ランキング上位の企業は、10年前、20年前から、大手で有名だった企業ばかり。会社としては、これらの企業はとても安定しているように見えます。実際に働いている人はどうなんでしょう?

 

大手メーカーで働くメリット

一番のメリットは安定感、そして人材育成をある程度長い目でみてもらえることでしょう。若手のうちは、社内研修も多く、また横並びで評価されるため、安心して働けます。そんな中、メーカーならではの課題に取り組む中で、仕事に必死に取り組んでいるうちにあっという間に年数が過ぎる人も多いです。

 

徐々に大企業ならではの、社会への影響が大きい仕事を任されるようになり、やりがいも感じるようになります。それに伴い、収入も上がっていきます。

 

もちろん、中堅になる頃から徐々に社内評価に差がついていきます。評価されていないかもしれないと感じると、居心地の悪さを感じて、仕事への意欲が下がる人が一定数出てきます。ただ、仮に出世から遅れても、給料的にはそこまで大きな差にはならないし、長いキャリアパスの中で挽回のチャンスがいくらでも用意されています。

 

どうしても居心地が悪くなった人でさえ、部署を変えるなど、社内転職のような仕組みを利用して、心機一転新しいモチベーションで仕事に取り組めるようなシステムを用意している会社が多いです。

 

また、労働基準法に守られているので、オンとオフを分けやすく、プライベートも充実させやすい。また、会社として、社会的信用もあるため、いわゆる非モテな人でも結婚しやすいです。家族、持ち家、クルマなどに囲まれた、少し贅沢な暮らしに手が届きやすいのです。

大手メーカーのデメリット

日本では人気な大手でも、グローバルな競争では、後手に回って、どんどん競争力を落としている企業が多い。そんな企業の中で、これからずっと大丈夫なのかと言う不安があります。

 

また、実際に、トヨタでも終身雇用を続けることは困難という記事が出たり、大手メーカーのリストラの報道も増えてくる中、以前ほどは安定していないことは確かです。

 

それにも関わらず、長い歴史がある分、時代遅れで硬直的な社内ルールや、組織としての意思決定や動きの遅さ、役割が細分化されていて個人のキャリアパスが不明確になりやすいなどの問題もあります。

 

やりがいについては、組織が大きい分、自分のやっている仕事が世の中の役に立っているのか分かりにくいということもあり、人間関係については、大手であるために、社内の人間関係ばかりが密になり、部署や職場によっては、パワハラや陰湿ないじめがあるところもあり、会社によっては自浄作用がうまく働いていないことがあります。

 

90%の人のその後

会社のデメリットは、入社すれば、身に染みて感じるようになります。組織特有の問題が目についたりもします。また、会社のメリットについては、当たり前のことに感じて忘れ去られてしまいがちです。

 

そんな中、90%以上の人は、定年退職ちかくまで勤め上げます。もっとも、新卒のときに思い描いた場所で、働いている人はほとんどいないでしょう。それでも、ある程度は待遇が良かったり、他に良い転職先がない、そこまで冒険したい人が少ないなどと言う理由でほとんどの人は転職しないことが普通です。これまでも、これからも、大手メーカーの離職率は低いと思われます。

 

また、実際に、勤怠もよく管理されておりそこまでブラックな職場は少ないし、新卒や若手の時は仕事がつまらなくても、将来的には大手企業ならではの大きい仕事ができる可能性があることや、待遇も年を経るごとにある程度までは年功序列で上がっていくことなど、大多数の人にとって不満が少ないのです。

 

もはや安心ではない

やめる人の少ない大手メーカーでも、不景気になり利益率が下がってくると人あまりになり、社内で暇している人が増えて、雰囲気も悪くなり、ますます利益が出にくくなるなどの問題に見舞われます。そうすると、非効率な事業については、部署が解体されたり、転勤させられたり、半ば強制的なリストラにあったりということがわりと普通に発生します。

 

また、組織の平均年齢が上がり、年功序列が維持できなくなり、給与体系も変わり、役職定年後の給料が激減してしまうなど、昔ほど社員の満足度が高くなくなってきてます。そのようなら社内の雰囲気を察知して、若手ほど危機感を抱き、大手メーカーを飛び出していく人も多いです。

不満がすかなくても、安心ではないのです。

 

やめる人はどこに行くのか

将来への不安、人間関係の不満、事業撤退、その他のやむを得ない事情によってやめる人は一定数います。大手メーカーを辞めた人はどこに行くのでしょう?

ほかの大手メーカー

意外と多いのが、ほかの大手メーカーです。人間関係や社風が合わなくてやめる場合、ほかの大手メーカーに行けば、不満を解消できることが多いです。

 

また、社内では、他では通用しないスキルなのかもしれないと思っていた業務経験が、意外とほかの大手メーカーでは評価されます。極論を言えば、もともと大手メーカーに採用されたと言う事実が評価されていることもあり、同じような大手メーカーに採用されやすいです。

 

他には生産技術のエンジニアが化学メーカーや製薬メーカーの製造設備などの業務に転職したり、メーカーの取り引き先の専門性の高い企業に転職するなどの事例もあります。

中小企業

大手から中小に行く場合はあまりないのですが、人間関係などの問題で急に辞めざるを得なかった場合などに、大手から中小に転職する人がいます。

 

最初は人間関係が改善されたと喜んでいるのですが、中小にはブラックが多く、人間関係も大手メーカーから転職してきた人にとって居心地が良くない場合が多いです。

外資メーカー

大手メーカーからの転職先として、外資系メーカーもあり得ます。中国、韓国などアジア系の企業が、かつては日本人を引き抜いていました。これは、若手よりは、中高年のエンジニアに多いです。

 

過去には、日本メーカーのノウハウを、高い年俸で買おうとする動きがあって、ニュースになりました。近年は、アジア系の企業のレベルが日本を追い抜いてきたので、このルートの転職は少なくなっています。

 

他にも、欧米系の外資メーカーは、東京に支社を構える場合が多く、新卒よりも日本メーカーやその他の中途採用が多いです。営業職の場合が多いですが、日本へのカスタマイズの設計開発がある場合など、理系のバックグラウンドがある人の採用がある程度あります。このような企業に就職を狙う場合は、英語が必須になります。

 

新興メーカー

中堅企業、中小企業や、ベンチャーなど、勢いのある新興メーカーに大手メーカーから転職する例があります。大手の長々として非効率なルールがいやだった場合、新興メーカーのスピーディな仕事と合うでしょう。

 

ただし、大手メーカーのOBが多い職場では、結局もともとの大手メーカーと同じような雰囲気になってしまうことも。

 

異業種

異業種としては、最近人手不足がニュースになっているIT業界でエンジニアになる人もいます。メーカーから転職してWEBエンジニアになるなど。少し珍しいケースです。

 

メーカーの職場は地方が多く、WEBエンジニアはほとんどが東京のため、このルートで転職するにはかなり若いタイミングで、引っ越しも同時にする勢いが必要です。

士業

メーカーを辞めて、弁護士、公認会計士弁理士などの資格を取って作業で働く人もいます。人間関係で鬱になって辞めざるを得なかった人には、資格を使って個人の仕事で生きていきたいと思う人には合っているでしょう。

大学

博士号を持っている研究職の人の場合、会社を辞めて大学に行くと言うパターンです。