理系の仕事術

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転職で失敗する理由

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「このままでいいのだろうか?」

「今の会社の将来が心配だ」

「この職場にずっといて後悔しないだろうか?」

「仕事にやりがいがない。もっと他にやりたい仕事がある」

いろいろな動機で転職する人の7割は、転職によって不利益を被ったり、転職したことを後悔することになると言われています。極論を言えば、転職の半分以上は失敗すると言っても過言ではありません。意気揚々と転職しても半分以上の人は失敗に終わるのです。

転職で失敗する理由はどのようなものでしょうか?

1. 現状認識が不十分なパターン

転職で失敗する人の半分以上は、多かれ少なかれこのパターンに該当します。「現状認識が不十分」なパターンです。

現状認識が不十分なパターンは、職場や会社に対する認識が不十分な場合や、本人の評価や適正に対する認識が不十分な場合があります。

職場や会社に対する認識が不十分な場合

隣の芝生は青く見えるものです。また、転職してから前の職場や会社の良さに気がつくことは多いです。

転職をする前に、転職によって失うものと、新たに手に入るものについて整理してみると良いと思われます。

まずは、今の会社の良い所と悪いを所を整理してみるといいです。良い所はあとから気がつくことが多いので、入念に整理してください。また、悪いところについては転職以外に解決/解消できないかどうかという観点も取り入れるといいでしょう。

そして、転職をして新たに手に入ると見込まれるもののうちには、実際に転職してみたら予想と違っていたということもよくあることを忘れずに。

ヒント: 人はお金を目の前にすると視野が狭くなる

うまい話にだまされやすいのが人というものです。特に大幅な年収アップや、キャリアアップの機会があると、今転職しないとすごく損をするのでないかと焦燥感に駆られやすいです。そういう時は視野が狭くなって、転職のデメリットに目が行かなくなり、後々、転職に失敗する確率が上がります。

人生は仕事だけではありません。趣味や友達、家族との関係を良好に保つことが可能かどうかという観点からも転職の是非を検討すると良いです。キャリアアップを目指して転職したのに、残業時間が増えたり、仕事の不安が増えたりして生活の質が下がるという例も多いのです。

現状の仕事について、よっぽど精神を病むほど追い詰められているわけでなければ、キャリアアップや収入など、端的なものを追いかけて、生活の質を下げるのは妥当な選択肢ではないでしょう。一度、広い視野に立って、現状を再認識してみることが有効です。

本人の評価や適正に対する認識が不十分な場合

端的に言うなら、上司や同僚、家族からの評価と本人の自己評価の間にギャップがある人です。自分のことは意外と自分では分からない(あるいは偏っている)ものです。

身近な人から見た自分の評価や性格、適性が、転職によって目指している自分のイメージにマッチしているでしょうか?もし、そこにギャップがあるなら、一度冷静に転職を見なおした方が良さそうです。

ヒント: 職場での評価が低いと判断を間違いやすい

上司の理解が不十分で、本人の力量に反して低い評価を受ける人もいます。しかし、評価が低いことにはそれなりの理由がある場合がほとんどです。しかし、職場の評価が低いと、自分の非を受け入れることができないものです。

職場での評価を受け入れることができない人は、どうしても現実から目をそらしてしまいがちです。そして、「この仕事に向いていない」「もっと他の仕事をやりたい」「今の上司の考え方は間違っている」という考えに支配されてしまいがちです。このような考え方をしてしまう人は、転職に逃げてしまいがちになるので判断を間違いやすいです。

まずは、今の仕事について、自分の認識が合っているか間違っているか、客観的に見つめる機会を設けるといいと思います。特に焦りがあると判断を間違えます。結論を急がないことがコツです。

2. 思い込みやこだわりが強すぎるパターン

根拠のない思い込みは失敗の原因になりやすいです。特に「もっと他にやりたい仕事がある」という考え方は、単なる思い込みのことが多いです。実際にやったこともない仕事をやりたいと言っている場合、その仕事に対して何らかの思い込みにハマっていることが多いです。

やったことがない仕事の場合、その仕事の良い面と悪い面を冷静に比較して判断することが困難になりがちです。転職したいと思っている仕事の良い面にばかり目が行って、まちがったこだわりをもってしまうとタチが悪いです。

新卒のときは別ですが、転職であれば、業種や職種をまたぐ転職をするまえに、本当に転職先の仕事が自分の思った通りの仕事であるかを入念に検証する必要があるでしょう。

3. 将来への見通しが甘いパターン

短期的な見通しに基づく転職は失敗しやすいです。転職市場では、一度転職すると3〜5年は働かないと転職しにくい業界が多いです。転職先では、最低限、3〜5年働くわけだし、下手をしたら定年退職するまで働くかもしれません。

それだけ長い期間働こうと思ったら、将来は自分のやりたいことや優先順位が変わってくることを考慮する必要があります。一般的に、人は年をとるほど保守的になるし、安定を求めるし、無理が効かなくなるし、健康の問題も起こりやすくなってきます。そのような不安定な将来を考慮したときに、バックアッププランはあるか?よく検討する必要があります。

安易な見通しではうまく行かなくなることが多いです。甘い言葉に惑わされずに、厳しいアドバイスをしてくれる人にも相談して、判断することも大切です。

本当に大切なことには後から気がつくもの

本当に大切なこととか自分が求めていることってうのは、案外わかりにくいものです。転職して「しまった!」と思った時に、本当に後悔しないかよく検討しましょう。取り返しの付かない転職ではなく、社内での異動や、仕事以外に目を向けることで、今の問題が解決するなら転職しない方がいいかもしれません。

4. それでも転職した方がいいパターン

転職したほうが良いパターンももちろんあります。現在の職場に大きな不満があり、かつ現在の仕事を続けることで更に状況が悪化しそうな場合です。

たとえば、労働環境や人間関係が悪すぎてストレス過多になっている場合で、そのまま仕事を続けると心身の健康を害することが予想される場合です。

現職を続けることに明確な問題があるならば、転職してから後悔する可能性が少ないし、もし転職が失敗だったとしても、前の職場を続けることも難しかったと諦めがつきやすいからです。